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テーブルから溶融・鋳造機まで、ドイツマインドの技工室

2011.01.21

私たちが向かった2階には技工室があり、広さは20坪ほどだ。MTコネクターが開発された当初、つくれる技工士は先生だけだった。しかし、現在は違う。MTコネクターというすぐれた入れ歯の存在を知った若き技工士たちが先生の技工所に集まり、製作に携わるようになっている。技工室の中央には、作業用デスクが置かれている。このテーブルもドイツ製で、ドイツの歯科技工士が使っているデスクと同じものである。当日は、4人の若い技工士がMTコネクターづくりの真っ最中だった。作業は真剣そのもので、声をかけるのがはばかられた。先にも触れたように、ここに導入されている機械はほとんどドイツ・BEGO社製である。石膏を削るために用いるドリーマーだけが日本製だ。IWCの資格を得ても、ウィロニウムプラスを使うにはBEGO社のシステムを一式導入しなければならない。そうしたシステムを導入した技工所を「IWCラボ」と呼ぶが、先生の技工所はそのIWCラボに認定されている。作業に必要な主な機械には溶融機、鋳造機、研磨機などがあるが、鋳造機は(金属を溶かして鋳型に流し込む機械)は1台が650万円程(購入当時)もするという。「日本の機械なら3台は買えます。でも、この機械でないとウィロニウムプラスは鋳造できません。ウィロニウムプラスは非常に伸びがよく、引っ張り強さのあるコバルトクロム合金ですが、日本の鋳造機ではパワーが弱すぎて金属組成が狂ってしまうのです」金属組成が狂うと、ウィロニウムプラス本来の弾力や伸びが引き出せない。その点、BEGO社の鋳造機はパワーが強く、ウィロニウムプラス本来の金属特性が引き出せる。金属特性を知り尽くした、金属素材を製造している当の会社ならではの技術である。「また、研磨機もトルクが高く、まったく力を入れずにきれいに研磨できます。しかも、研磨中に変形などのトラブルがなく、失敗もありません。日本の研磨機は精一杯押さえつけないときれいに研磨できないが、まったく比較にならない高性能です」つまり、BEGO社製の機械があって、ウィロニウムプラスの特性が引き出される。そこからMTコネクターのすぐれた金属床がつくり出され、MTコネクターの大きなメリットが誕生しているということだ。