大器晩成という言葉を聞くとすぐに思い出すのは、ドイツ観念論哲学のヘーゲルとシェリングという2人の有名な哲学者にまつわるエピソードです。2人は学生時代同じ大学(ドイツ南部のチュービングン大学)に学んだことがあり、その頃ヘーゲルは5つも年下の才気に溢れるシェリングの思想を信奉し、彼を学友兼教師として尊敬していました。しかし、それから時間が経ち、年齢が長じて来るにつれ、ヘーゲルが徐々に力を発揮するようになり、偉大なるカントの流れをくむドイツ観念論哲学をフィヒテやシェリングの後を受けて完成したのです。おそらく皆さんもヘーゲルによって体系化された有名な「弁証法」という論理方法を聞いたことがあると思います。ヘーゲルはその業績によって新しいドイツ(プロイセン)を象徴するベルリン大学の第2代総長に就任したのですが、若い頃天才の名を欲しいままにしたシェリングは、既にその天才活動を終えた一介の教授に過ぎませんでした。
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