欧米の百貨店と比較すると、日本の百貨店の品揃えはかなり豊かである。この背景には、委託仕入れという日本独自の取引形態がある。委託仕入れが、百貨店の中心的な取引形態となってから30年以上が経過した。返品が可能な委託仕入れなら、商品の幅を広げることができる。これが魅力となり、百貨店はファッションをリードする業態として顧客にも認知されてきた。だが委託仕入れには、大きな落とし穴があった。第一の問題は、百貨店の自営力が衰えたことである。委託仕入れの利点は、返品制度にある。百貨店の側からみれば、売れ残りは自社の痛みにはならない。総花的な品揃えをして、最後に商品が残っても、取引先に返品すれば新しい商品を仕入れることができる。このサイクルを繰り返しているうちに、百貨店の仕入能力は減退してしまった。さらに派遣店員の制度も、百貨店の力量を弱めた。小売店の最大の特徴は、消費者と直に接していることである。